自然な演技をする為に役者が知っておくべきこと 〜女優 中谷美紀さんの驚きの撮影秘話〜

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自然な演技をする為に役者が知っておくべきこと 〜女優 中谷美紀さんの驚きの撮影秘話〜

どうも!木全俊太です。

いつも記事を読んで下さってありがとうございます。

今回は

『自然な演技をする為に役者が知っておくべきこと』

というテーマでお送りしたいと思います。

僕は以前芸能事務所で

マネージャーをしていたことがあって

今回の記事でも、その頃の経験から

皆さんにお伝えしたいことを

シェアさせて頂けたらと思います。

はい、というわけで今回は

『自然な演技をする為に役者が知っておくべきこと』

というテーマでお話しさせて頂けたらと思います。

僕、Voicyって音声プラットフォームをよく聞いたりしてるんですけど

鴨頭さんという講演家の方がされていたあるお話がとっても興味深い内容だったので

今回はそのお話をこのチャンネルでもぜひご紹介させて頂けたらと思います。

その方が放送の中で紹介されていたのは

映画監督の黒沢清さんが女優、中谷美紀さんの著書

「ないものねだり」に寄せた解説の文章だったんですけど

これはぜひ役者志望の方に伝えたいなと思ったので

ちょっとそこの部分、取り上げさせて頂けたらと思います。

今でも強烈に印象に残っている

撮影現場の光景がある

中谷さんに

沼の上に突き出た桟橋を

ふらふらと歩いて行き

突端まで行き着いて

ついにそれ以上進めなくなる

という場面を演じてもらった時のことだ

これは一見別にどうということもない芝居に思える

正直、私も簡単なことだろうと

高を括っていた

だから中谷さんに

「桟橋の先まで行って、立ち止まって下さい」

としか指示していない

中谷さんは

「はい、分かりました」

「少し練習させて下さい」と言い

何度か桟橋を往復していたようだった

最初、ただ足場の安全性を確かめているのだろう

くらいに思って

気にも留めていなかったのだが

そうではなかった

見ると、中谷さんは

スタート位置から突端までの歩数を

何度も往復して正確に測っている

私はこの時点でもまだ

それが何の目的なのか分からなかった

そしていよいよ撮影が開始され

用意スタートとなり

中谷さんは桟橋を歩き始めた

徐々に突端に近づき、その端まで行った時

私もスタッフ達も一瞬

「アッ!」と声をあげそうになった

というのも、彼女の体がぐらりと傾き

本当に水に落ちてしまうのではないかと見えたからだ

しかし彼女はギリギリのところで踏みとどまって

まさに呆然と立ちすくんだのだ

もちろん私は一発でOKを出した

要するに彼女は予めこのギリギリのところで

足を踏み外す寸前の歩数を

正確に測っていたのだった

なんて精密なんだ

私は舌を巻いた

と同時に

この精密さがあったからこそ

彼女の芝居は

全く計算したようなところが無く

徹底して自然なのである

つまりこれは脚本に書かれた

桟橋の先まで行って

それ以上進めなくなるという一行を

完璧に表現した結果だったのだ

どういうことかというと

この一行には

実は伏せられた重要なポイントがある

なぜその女はそれ以上進めなくなるのか

という点だ

別に難しい抽象的な理由や

心理的な原因があったわけではない

彼女は物理的に〝行けなく〟なったのだ

行かないことを選んだのではなく

行けなくなった

どうしてか?

それ以上行ったら、水に落ちてしまうから

現実には十分あり得るシチュエーションで

別に難しくもなんともないと思うかもしれないが

これを演技でやるとなると

細心の注意が必要となる

先まで行って

適当に立ち止まるのとは全然違い

落ちそうになって、踏みとどまり、立ちつくす

という動きによってのみ

それは表現可能なのであって

その為には桟橋の突端ギリギリまでの歩数を

正確に把握しておかねばならないのだった

と偉そうなことを書いたが

中谷美紀が目の前で

これを実践してくれるまで

私は気づかなかった

彼女は知っていたのだ

映画の中では

全ての出来事は自然でなければならず

カメラの前で

何一つごまかしがきかないということを

そして

演技としての自然さは

徹底した計算によってのみ達成されるということを

という文章なんですけれども

すごいお話ですよね。

お芝居は感情だけで表現出来るものじゃなくて

自然な演技をしようと思ったら

徹底した計算がないと

成し遂げられないということを

思い知るお話だなと思います。

神は細部に宿るなんて言葉もありますけど

プロの第一線で活躍し続けている人達のほとんどが

実はこういう緻密な計算、研究をしているものなんだと思います。

なので自分にはセンスが無いのではないかと嘆く必要は実は全く無くて

ちょっとした心掛けを積み重ねていけば

見ている人を惹きつけるような自然なお芝居ができるということでもあると思います。

脚本読解にしてもそうで

これはある監督さんから聞いたお話なんですが

ワークショップなどで

このシーンについてどういう解釈で演じたの?みたいに聞いた時に

お芝居上手な子はすごく深く分析してきたことが分かる回答が返ってくるのに対して

そうじゃない子は脚本の解釈がすごく浅いことが多いという話を聞いたことがあります。

他にもですね

これは映画監督の武正晴さんがおっしゃっていたことなんですけど

映画『100円の恋』の現場で安藤サクラさんの台本を見せてもらった時

安藤さんは 他の役の掘り下げまで書かれていて、台本は書き込んだ文字でビッシリだったそうです。

やっぱり活躍されてる役者さんはそれだけ準備してるんだなと

そのエピソード聞かせて頂いた時思いましたね。

そんなわけでですね

皆さんも現場やワークショップに臨む時は

時間が許す限りでいいので

入念な準備をして臨んでみて下さい。

そうやって準備に費やした時間が

何より本番で自信持って演じられることにも繋がります。

というわけで

今回はこの辺にしようと思います

これを読んで下さってる皆さんが

役者としてさらに活躍していってもらえることを

祈っています。

記事を最後まで読んで下さって

どうもありがとうございました!

木全俊太

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元芸能事務所マネージャー 木全俊太
木全俊太です。 このチャンネルでは、僕が芸能事務所のマネージャーをしていた頃に学んだことをお伝えしていきます。 芸能事務所の選び方や、映画やドラマのオーディションに合格する秘訣、監督やプロデューサーから教わった演技の極意など、芸能界を目指す俳優さんや女優さんに役立つ情報をお届け出来たらと思います。 役者の方が芝居で生き...

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