脚本読解と役作りにおいて大切なこと 〜「魂の演技レッスン22」要約 第4段〜

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動画版はこちら

脚本読解と役作りにおいて大切なこと

どうも、木全俊太です。

いつも記事を読んで下さってありがとうございます。

今回は『脚本読解と役作りにおいて大切なこと 〜「魂の演技レッスン22」要約 第4段〜』

というテーマでお送りしたいと思います。

僕は以前芸能事務所でマネージャーをしていたことがあって

今回の記事でも、その頃の経験から

皆さんにお伝えしたいことをシェアさせて頂けたらと思います。

はい、というわけで今回は

『脚本読解と役作りにおいて大切なこと』というテーマで

前回に引き続き『魂の演技レッスン22』の中で僕が特に大事だなと思うことについて

お話させて頂けたらと思います。

今回は脚本読解と役作りにおいて大切なことは何なのか

ということについて触れていきたいと思います。

それでは早速やっていきたいと思います。

役者がワークショップやオーディション、現場に望むにあたりするべき準備として

脚本読解は非常に重要です。

初歩的なこととしては何か読み方やその意味が分からない単語が出てきたら

ちゃんと調べるっていうことは当たり前として

より大切なことは、そもそもこの作品はどんなメッセージを伝えたい作品なんだろうか

ということを考えることです。

ここを読み間違えてしまうと、いくら芝居が器用でも

芝居の方向性がおかしな方向に行ってしまうということになりかねません。

だからここはあやふやにしないでちゃんと明確にしておく必要があるんですが

その為に有効なのが

この作品は何を伝えたい作品なのかということを

3行以内ぐらいの短文でいいので

簡潔に紙に書き表してみるという方法です。

やっぱり頭の中でぼんやり考えているだけじゃなくて

実際に紙に書き出してみることによって思考が整理されるので

例えば台本の白紙の部分とかに

それを書き出してみること

強くお勧めします。

さらにもっというとこれはシーンごとにもやった方が良くて

このシーンはそれぞれどういったことを視聴者に伝えようとしているシーンなのかを

明確に把握して演じるのとそうでないのとでは

芝居の方向性が全然変わってくると思います。

ワークショップやオーディションでは大体1シーンだけを演じるということが多いですけど

この時もちゃんとシーンの目的を考えられている役者さんは

芝居に一貫性があるというか、何がしたいのかが明確に伝わってきて

審査員側からしても

「あ、この子はちゃんと分かってるな」という印象になるんですよね。

CMなどのオーディションは、求められる表情や動作をバッと思い切って出せるかという

読解力よりも瞬発力を求められる側面が大きいですが

映画やドラマのオーディションではそれに加えて

読解力も非常に求められますので

そこに苦手意識がある方はワークショップなどに参加して

脚本をよく読み解いてから演じるということがどういうことか

そのコツを掴んでもらえたらいいんじゃないかなと思います。

さらに脚本を読み解いていく上で大事なこととして

作品によっては一昔前の時代を描いた作品だったり

舞台やミュージカルでは海外の話を描いた作品もあったりしますけど

そういった時にその時代背景をよく調べるということも非常に重要です。

やっぱり人間はその時代、国籍、もっと言うと住んでいる地域によって

そこに住む人の考え方は大きく違うものなんですよね。

だからその時代に、その国、その地域に住んでいた人はどんな暮らしぶりをしていたのかを調べることは

そういった役を演じる上で非常に大切です。

今は幸いネットが発達してるので、その時代について調べることも難しくはないと思いますし

余裕があれば近くの図書館に行って、その時代についての書物を読んでみたりすることも

脚本読解において非常に有効だと思います。

続いてこの流れで役作りについてのお話もさせて頂けたらと思うんですけど

もちろん同じ時代、国、地域に住んでいる人であっても

その性格はいろいろなので

自分が演じる役はどんな個性を持った人物なのかも掘り下げていく必要があります。

その上で大事なのは、その人物の過去について把握することです。

特にどんな両親に育てられたかですね。

なぜなら、人の性格や価値観ってどんな両親に育てられたかに多大な影響を受けるものだからです。

だからどんな両親の下に生まれたかを把握することは、その役を理解する上で非常に大切です。

もちろんこういう両親だから子供はこうなるものみたいに一概には言えませんけど

大なり小なり両親が持つ性質というか考え方はその子供に受け継がれるものです。

他にも、どんな教育を受けてきたのか、日々どんな生活を送っているのか?

どんな人間関係を築いているか、どんな仕事をしているか、今の生活に満足しているのかなど

そういったこともよく把握しておくべきですね。

仕事においては、もし可能であれば、自分が演じる役の仕事を、自分でも経験出来たら、やった方がいいと思います。

もし職業的に難しければ、その仕事をしている人を観察しに行くとか、話を聞きに行く、ということも非常に有効です。

やっぱりそういうことをしておいた方が

自分がもしその役の仕事してるシーンを演じる時とかに

圧倒的に芝居やりやすくなるんですよね。

そういうこと一切せずにぶっつけ本番で現場でやろうとしても

絶対動きがぎこちなくなってしまうと思います。

だからそういった準備も非常に大事だと思います。

それと自分が演じる役がメインキャストというわけじゃなくて

脚本に書かれている役についての情報が少ないという場合もあると思うんですが

そういう場合でも、合ってる合ってないは別として

自分でその役の背景をイメージしておくことは必要だと思います。

人によっては、主役とかじゃないならそんな手の込んだ役作りなんて必要ないでしょって思う方もいるかもしれないんですけど

役についての深掘りをしていないと一つ一つの言動に対してなぜこれをするのか、それを言うのかということに確証が持てないし

一番その差が出る場面が、多少のアドリブを求められる場面で、そういう時、役作り一切していないと、何も出来なくなっちゃうと思うんです。

脚本にある台詞や行動のその間の部分で、いかにその役なりの仕草が自然と溢れてくるかが、役が自分に身に付いているかを測る上でキーだと思うんですけど

役作りを深くやっていないと、その〝間〟を埋められるような芝居が出来なくて、結果、観ている人からすると、

台本通りには演じれているけど、なんかその役っぽく見えないなと

そこで生活している人の日常として見れないなという印象になってしまうんですよね。

だから脚本の台詞にしても、自分の言葉として言えるようになる為にも、ちゃんとその役の背景を、その役の気持ちを深く理解する必要があると思います。

台詞にも行動にも理由があるものなんですよね。

なぜこの台詞を言うのか

なぜこの行動をするのか

明確に確信出来ている状態で初めてその言動をするべきです。

あとこれは前回のアクションについての動画で言えてなかったことなんですけど

アクションとはリアクションでもあると言えて

自分がするアクションというのは相手が言ってきた言葉

してきた行動に応じたものでないといけなくて

例えば相手の言動にイライラするというト書きが脚本にあった時に

本来はそのような反応すべきなんですけど

もし相手の芝居が小さ過ぎて

全然イライラさせられるような言動になってなかったら

脚本通りにそれに対してイラつくと逆に不自然になるんですよね。

もちろん脚本通りに演じるのが本来の形ではあるんですけど

自分がする言動は相手のアクションに合ったリアクションであるべきというのが大前提なので

そこは脚本よりも自分のその時相手から受けた印象、感情に忠実であるべきだと個人的には思います。

そういったことに忠実に演じた上で、例え脚本と違った言動になっても、

監督は「脚本と違うじゃないか!」と怒るなんてことはないはずで

「そうされたらそういう反応になるよな」と逆に良い印象持ってもらえるはずです。

だから演じる時に最も意識すべきことは脚本通りに演じるということよりも

相手の芝居に意識を集中して、素直に反応することだと思います。

脚本への意識は一旦忘れて

相手役の台詞も初めて聞くように反応しないといけません。

こういうことはある程度ワークショップ等で訓練を積まないと掴めない感覚でもあるとは思いますが

芝居はあくまでその場で初めて起こったことのように演じるべきで

予定調和な感じになってはいけないということですね。

時々、自分が演じやすくする為に、相手役の方にこういう風に演じてほしいと指定される方がいますが

そういったことをしちゃうとお互い自然なアクション、リアクションが取れなくなっちゃいがちだと思うので

あんまり良くないんじゃないかなと個人的には思います。

役作りのことに話を戻して

衣装というものについて改めて考えたいんですけど

衣装からもらえる効力ってすごく大きいものなんですよね。

だから本番以外の例えばワークショップやオーディションといった場面でも

極力、可能な限り役に寄せた服装で行った方がいいと僕は思います。

学生役なら学生服、社会人役ならスーツで行くということですね。

そうすればもちろん見ている審査員からしても、その役に見えやすいというのもありますし、

このオーディション、ワークショップに賭けているんだという想いが伝わるということもありますが

何より本人が演じやすいんですよね。

皆さんもこういうことありませんかね。

普段着だと仕事しようとしてもだらけちゃうけど

スーツを着ると気持ちもシャキッとして

仕事への意欲も湧いてくるっていう感覚。

それぐらい衣装からもらえるパワーって大きいんですよね。

でも人によってはワークショップやオーディションの段階で

そんなガチな服装で臨むのはなんか馬鹿にされそうで恥ずかしいという方もいるかもしれないんですけど

それに対して、そこまでするのってどうなの?みたいな小言言ってくる受講者いても

言わせとけばいいんですよ。

最終的に受かるのは周りからどう言われようと

やるべきことも臆せずやった人だと僕は思います。

そういう心意気は審査員にも伝わるものだし、何より印象に残るんですよね。

だから周りの目を気にして自分の出方伺うんじゃなくて

自分がすべきだと心から思ったことは

全部やるべきかなと思います。

もし仮にそれで落ちてしまったとしても

本人的にも後悔は残らないと思います。

著者のアドラーさんがこの本でよくおっしゃっていることの中に

”自分のサイズを大きくしなさい”という言葉があるんですけど

それは例えば、舞台などでどこかの国の国王を演じるという機会があった時に

自分の芝居のサイズが小さいと

国王のサイズに匹敵しないちっさい芝居になってしまうという話なんですよね。

やっぱりそれはただ脚本通りに演じるだけじゃ解決しなくて

その国王はどんな責任を抱えているものなのかとか、その国の歴史とか

その国王が背負っている背景を理解するっていうそういう心理的アプローチも必要だし

国王たる者どんな話し方をするべきか、どんな身振り手振りをしているものかという

そういう立ち振る舞いに対する理解と自分の身体にそれを落とし込むっていう身体的なアプローチも必要になってきますよね。

あとこれは僕の勝手な解釈なんですけど、役者としてのサイズを大きくするというのは

つまり人としての、人間的な器を大きくするということとも言えるのかなと思いました。

皆さんの周りの役者仲間を見ても意外とそう思うところないですかね?

お芝居がうまくて活躍されてる方ほど、人としての器も大きいっていうこと。

逆を言えば人として魅力的な人ほど、役者としても魅力的だとも言えると思います。

それはきっといろんな役を演じてきて、その度にその役の苦悩に触れて

人の気持ちが分かる人になっていってるからでもあるのかなって思います。

そう考えると、役作りとは人作りでもあると言えると思ってて、

役者という仕事ほど、人として成長できる仕事はないんじゃないかなとも思えます。

この本の最後でアドラーさんは役者は商品なんかではなく、何かを社会に対して問うような伝道師、思想家であるべきだ

ということをおっしゃってるんですけど

これも本当に激しく同感です。

日本って何かネットで物を注文したら翌日にはそれが届いたりとか

食べるものにしたって多少豪華かそうじゃないかの違いはあれど

食うに困るような日が続くみたいなことっていうのはそうそう無かったりするし

仕事にしても選ばなければ、そして本人にちゃんとやる気があれば

できる仕事というのは必ずあるもので

頑張っても頑張ってもどうしようもないっていうことはまず無かったりして

要は今ってすっごく恵まれた世の中だなって思うんです。

物質的な幸福はほぼ満たされている人がほとんどだと思います。

でも人々のメンタルはどうでしょう?

残念ながら自殺をしてしまう方も後を絶たないし

心の病にかかってしまう人も今はすごく多いと聞きます。

それはコロナが流行ってより加速した印象もあります。

お芝居などは不要不急だと言われてしまってるところありますけど

映画やドラマからもらえる精神的な栄養って本当に大きいと僕は思ってて

皆さんも何かの映画やドラマを観たことで、自分が悩んでいることがちっぽけなことのように思えて

明日からまた頑張ろ!って思えた経験、絶対あると思うんですよね。

だから、これは大袈裟じゃなく、この国の自殺者を減らせるような

それぐらい大きな力が役者さんにはあると思うんです。

役者活動していると、すごくしんどい時もたくさんあると思うんですけど

自分はそれぐらい大きな、尊い活動をしているんだと

自分は社会に対してそれぐらい大きな良い影響を及ぼせる存在なんだと

そう思ってぜひ活動続けてもらいたいです。

きっと将来、「あなたの芝居を観たことで生きる希望がもらえました」って言ってくれる

視聴者や観客も現れるはずです。

だから苦しい時もあるけれど、どうか諦めないで

役者の道、歩んでもらえたらなと思います。

僕もそういった方を支援することで

間接的にそういった社会貢献が出来たらなと思います。

というわけで全4回に渡ってお送りした

『魂の演技レッスン22』の解説もこの記事で終わりにしたいと思います。

今回も自分の言葉のように語ってしまいましたが

全部この本を読んで学んだこと、感じたことです。

全4回と結構長めになっちゃいましたが

なんだかんだこの本の1、2割の内容にしか触れれてないので

演技についてもっと勉強したいという方はぜひこの本、買ってみて下さい。

というわけで今回はこの辺にしようと思います。

これを読んで下さっている皆さんが

役者としてさらに活躍していってもらえることを

祈ってます。

記事を最後まで読んで下さって

どうもありがとうございました!

木全俊太

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元芸能事務所マネージャー 木全俊太
木全俊太です。 このチャンネルでは、僕が芸能事務所のマネージャーをしていた頃に学んだことをお伝えしていきます。 芸能事務所の選び方や、映画やドラマのオーディションに合格する秘訣、監督やプロデューサーから教わった演技の極意など、芸能界を目指す俳優さんや女優さんに役立つ情報をお届け出来たらと思います。 役者の方が芝居で生き...

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