役者が芝居に臨む前に心掛けるべきこと 〜『魂の演技レッスン22』解説①〜

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役者が芝居に臨む前に心掛けるべきこと 〜『魂の演技レッスン22』解説①〜

どうも、木全俊太です。

いつも記事を読んで下さってありがとうございます。

今回は『役者が芝居に臨む前に心掛けるべきこと 〜「魂の演技レッスン22」要約 第1段〜』

というテーマでお送りしたいと思います。

僕は以前芸能事務所でマネージャーをしていたことがあって

今回の記事でも、その頃の経験から

皆さんにお伝えしたいことをシェアさせて頂けたらと思います。

はい、というわけで今回は

『役者が芝居に臨む前に心掛けるべきこと』というテーマで

お話し出来たらと思います。

今回はですね

久しぶりに演技についての記事です。

主催ワークショップで演技に本気で向き合ってる参加者の方々の姿見て

僕ももっと勉強しなきゃなと思いまして

少し前に演技の本の中でも評価が高い

ステラ・アドラーさんが書かれた『魂の演技レッスン22』を読み返しました。

今回はそんな『魂の演技レッスン22』に書かれていることで

僕が特に大事だなと思ったことについての解説記事を

シリーズで出していけたらと思います。

今回はその1本目の記事です。

それでは早速やっていきたいと思います。

この本の冒頭でアドラーさんはですね。

今の芸能界のシステム的な部分について警鐘を鳴らされてるんですが

以前は何か作品の主演を選ぶ際も劇団などで長い間経験を積んできたような方の中から

キャスティングするものだったんだけれど

今はスカウトやオーディションで見つけた全くの素人が

それほど訓練の期間を経ないでいきなり主演としてデビューしてしまうこともあって

こんなことは昔はあり得なかったとおっしゃってるんですね。

これはまさに日本もそういうところあるな〜と思いまして

経験よりもビジュアルが重視されてしまうケースが残念ながらあったりして

それはほんとは宜しくないことですよね。

俳優だけに限った話じゃないですけど

芸能界目指す若い方々の育成方法も改めないと

お隣の韓国などとも差が開く一方なんじゃないかなと思います。

話を戻して

この本でまずアドラーさんはですね

俳優こそもっと幅広いことに興味を持ちなさいと言っています。

これもほんとその通りですよね。

今って検索がすっごく便利だから自分の知りたいこと、見たいものにダイレクトにたどり着ける時代ですけど

でもその弊害もあると思っていて

それは自分の知識が自分の興味のある分野でだけしか深まらないということがあると思います。

でもいろんな時代に生きるいろんな役柄を演じなければいけない俳優という職業は

いろんな知識を網羅的に学ぶ必要があります。

そう聞くと何か大変な気がしちゃいますが、でもそれはほんの些細な心がけから始めればいいと思っていて

例えば普段はあまり見ないジャンルの映画を見たりとか、普段は読まないジャンルの本を読んでみたりとか

そういったことでも自分の興味や知識の幅は拡げていけるものだと思います。

そしてゆくゆくは政治とか社会問題にも目を向けていく必要があります。

なぜなら、映画やドラマにはそういう大きなテーマについて描かれる作品もありますけど

それを演じる役者がその問題について何の考えや知識も持っていないとなると

説得力のある芝居は出来ないからです。

役者なら演技のことだけ学べばいいかというとそうじゃなくて

役者だからこそその他の大きなテーマについても関心を持ち自分なりの意見を持たないといけないんですよね。

そうすることがその人の芝居に深みをもたらしてくれるとアドラーさんおっしゃっています。

アドラーさんは結構俳優としてというより、もっと人として大事なことを教えて下さってるんですけど

もう一つすごく共感したお話が

成功とは何か?っていう話なんですけど

僕らってやっぱりどうしても何かを成し遂げることが、何か価値のあるものを手に入れることが成功なんだと

思ってしまいがちじゃないですか?

でもアドラーさんは

自分は俳優なんだという自信があなたの中から生まれた時、あなたは既に成功したと言えるとおっしゃっていて

すごく深いな〜と思いました。

これは噛み砕いていうと

自分のことを心から好きになれることが、自分に対して真の自信が持てるようになることこそが

本当の成功だということです。

これは別に俳優さんに限らずだと思ってて

何か大きな目標に向けて頑張ることとか、何か高価なものを手に入れる為に頑張ることは

もちろんそれも素敵なことだけど

もっと幸せなことは、尊いことは

今の自分のこと好きでいれてるかとか、今の自分に自信を持てているかっていう

そっちの方が大事なことだと思います。

この話が俳優とどう関係があるの?って思うと思うんですけど

自分に自信を持っている俳優さんって見ていて分かるし、すごく見てる側としても魅力的に思えるものなんですよね。

逆に、この子は自分に自信が無いのかな?って思う俳優さんは、同じように見ていて分かってしまうし

お芝居もどこか小さく縮こまってしまってる印象を受けがちなものです。

でもそんなこと言っても経験が乏しいとどうしても自分に自信なんて持てないよって方もいると思うんですけど

僕はその自信っていうのは根拠の無い自信でいいと思うんですよね。

例え経験が乏しくても、失敗を恐れずに思い切って演じている役者さんの芝居は

観ていて気持ちがいいものです。

だから、何かオーディションや現場に臨む時はですね

「自分は最高の役者だ」って思い込みましょう。

俺しか勝たん!と

私しか勝たん!と

根拠なんてなくていいので

そう言い聞かせて臨むぐらいでちょうどいいと僕は思います。

もう一つお伝えしたい大事なこととしては

他人からの評価に重きを置くんじゃなくて

自分自身の評価を大事にするということです。

基本的に他人は好き勝手評価してくるものだし

他人からの評価に重きを置いちゃうと

いつまで経っても自分に自信を持つことは出来ないと思います。

そうじゃなくて、自分の評価は自分が決めるんです。

これは何も自分を甘やかすっていうことじゃなくて

自分に自信が持てるように日々努力を積み重ねることやっぱり大事なんですよね。

例えば

「よし、今日はこの作品の脚本読解が出来たぞ!」とか

「よし、今日はスタイル維持の為にお菓子食べるの我慢出来たぞ!」とか

そういう日々の積み重ねが

自分に自信が持てることに繋がっていくんだと思います。

そうやって過去積み重ねてきた小さな努力で培った自信っていうのは

オーディションや現場でその人の表情や芝居に現れていて

審査員や監督にも確実に伝わるものです。

だから、オーディションや現場に臨む時の不安を消す魔法のような方法は無くて

唯一あるとしたら

不安さえ感じなくなる程に当日までに練習を積んで臨むことだと思います。

その訓練に費やした時間、それによって養われた技術っていうのは絶対にあなたを裏切りません。

たとえオーディションで落選が続いてしまっても、その都度反省点を改善したりとか

やるべきことを続けてる人の自信っていうのは揺るがないと思うし

絶対落ちぶれないものですよね。

2章でアドラーさんは脚本読解についての重要性についても語っています。

まず大前提として脚本は完璧に理解しましょうと。

脚本の意味が分からないまま演じるのは最悪だと。

アドラーさんおっしゃってます。

たしかに演じる本人が脚本が伝えたいメッセージを理解していないのに

観客がそのメッセージ分かるわけないですよね。

芝居が浅いと言われてしまう人に足りていないのは圧倒的にこの”脚本読解力”です。

脚本を読み解く時にもう一つ大事なこととして

脚本には書かれていない、そのシーンの状況を、自分の中で鮮明にイメージするということです。

アドラーさんの師であるスタニスラフスキイ氏も

「芝居にリアリティをもたらすのは状況設定」だということをおっしゃっていたそうで、

例えば舞台作品に取り組んでいるとして、あるシーンに”海辺で佇む”というようなシーンがあったとしたら

その海辺がどんな場所で、何がどこにあるか、他に誰かいるのかなどといった状況をリアルに想像出来てこそ

演技にリアリティーが生まれるのだとおっしゃっています。

脚本にはそんな詳細までは書かれてはいなかったりしますよね。

だからこそ脚本読解では脚本で説明されていないことまで、いかに自分の中で状況設定が出来るかが

深い芝居ができるか、浅い芝居になってしまうかを分けるということです。

演じる人がその状況をリアルにイメージ出来て初めて

それを見る人もその状況をイメージ出来るものなんですよね。

そしてそういった芝居が出来るようになる為にも大事なこととして

アドラーさんは2章の最後で”日々の生活を意識的に過ごす”ことの重要性についても語られています。

”日々の生活を意識的に過ごす”ということはどういうことかというと

一言で言えば、普通の人はなかなか見落としがちなことにも意識を向けるということです。

例えば道端に咲いている花を愛でる意識だったり

電車でお年寄りが乗ってきたら席を譲るとか

エレベーターで乗ろうと駆け足で来てる人いたら開けるボタン押して待っててあげるとか

そういう観察力というか、気遣い力というか

スマホばっかり見てたら気付かないようなことに気付ける

そういった意識が役者には必要だということです。

要はぼーっと生きないで、日々意識的に生活するということですかね。

そうやって養われた感受性は必ず芝居にも生きると思います。

え〜そんなわけで、あんまりいろんなこと詰め込むと頭こんがらがっちゃいますし

今回の記事は以上にしようと思います。

まるで自分の考えのように語ってしまいましたが、全部この本から学んだことです(笑)

今回は、抽象的な概念の話がメインになっちゃいましたが、

次回からは具体的なことにも触れていきたいと思いますので

ぜひ次回の記事もご覧頂けたら嬉しいです。

というわけで今回はこの辺にしようと思います。

これを読んで下さっている皆さんが

役者としてさらに活躍していってもらえることを

祈ってます。

記事を最後まで読んで下さって

どうもありがとうございました!

木全俊太

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元芸能事務所マネージャー 木全俊太
木全俊太です。 このチャンネルでは、僕が芸能事務所のマネージャーをしていた頃に学んだことをお伝えしていきます。 芸能事務所の選び方や、映画やドラマのオーディションに合格する秘訣、監督やプロデューサーから教わった演技の極意など、芸能界を目指す俳優さんや女優さんに役立つ情報をお届け出来たらと思います。 役者の方が芝居で生き...

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