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どうも、木全俊太です。
今日も記事を読んで下さってありがとうございます。
今回は『芸能界の厳しい現実 ~役者にとって人脈とは~』というテーマでお送りしたいと思います。
僕は以前木下ほうかさんなどがいらっしゃる芸能事務所でマネージャーをしていたことがあって、自分自身も俳優をしていた経験があるんですが、今回の記事でもその頃にいろんな監督さんやプロデューサーさんから教わった大事だなと思うことを、皆さんにシェアさせて頂けたらと思います。
先日、YouTubeの視聴者の方から質問をもらったんですが、ある人から『業界の人が来る集まりがあるからぜひ来て下さい』という話を聞いたんですが、こういうのって行った方がいいんですかね?っていう質問だったんですけど、これを聞いた時にいろいろ思うところがありまして、そのある人というのが信頼出来るかだったり、どういう内容の集まりかにもよるとは思うんですけど、ただその業界の人が参加するというだけの集まりだったとしたら、そういうものにはあまり参加しなくていいんじゃないかなって思います。
そういうところに行って自分を知ってもらおうとするっていうのは、それはそれで間違いではないですが、プロフィールをお渡しするなら別ですが、そこにただ行くだけだとこんなこと言うと失礼かもしれないですが、ほぼ無意味だと僕は思います。
プロフィールを渡すにしても、やっぱり映画監督さんはその人の芝居を直に観て、本当の意味での信頼を寄せない限り、プロフィールを見ただけで、この人を次回作に呼ぼうとはまずならないんですよね。
芸能界で活躍するには人脈が大事だという人もいますが、もちろんたしかにそれも大事ですが、まだそんなに実力もついてない段階で人脈ばかりを求めても、プロデューサーの方々も馬鹿じゃないんで、芝居が出来るか分からない人を安易に作品に出演させたりとか絶対にしません。
もし仮に運よく出れたとしても、そこで全然良い芝居が出来なくて何度もNGを出してしまうと、「あ〜この役者は芝居が出来ない役者なんだな」と悪評が広まって、2度と現場呼ばれなくなってしまう可能性もあります。
もちろんその責任はその役者をキャスティングしたプロデューサーにも向けられるので、そういった理由でプロデューサーや監督は芝居が出来るか分からない役者を、知り合いになったという理由だけでキャスティングしたりは絶対にしません。
なのでそういったことを踏まえて、監督やプロデューサーさんと知り合う場として一番良いのは、ワークショップだと僕は思います。
やっぱり俳優は芝居を見てもらわないことには、何も始まらないんですよね。
時々とにかく業界関係者の飲み会に行きまくる俳優さんがいますが、こんなこと言うの大変失礼ですけど、全く意味ないと思うしむしろマイナスなんじゃないかなと思います。
それだったら 飲み会みたいなたぐいには一切来ないけど、その時間芝居の訓練に充てて、ワークショップっていう自分の芝居が見てもらえる一番大事な機会で、素晴らしい芝居を披露出来る人の方が、絶対にキャスティングに繋がると思うし、何よりカッコいいですよね。
これはいろんな監督さんやプロデューサーさんが嘆いていることなんですが、監督さんやプロデューサーさんは日々いろんな役者から営業を受けてるので、そういう口だけで中身のない人から営業受けると逆に嫌悪感すら抱くそうです。
ましてや監督なんて人を見るプロですから、自分がすぐ売れたいだけで日々の演技訓練疎かにしてる、そういう人脈頼りの中身の無い役者なんて、そのことすぐ監督は見抜きます。
それで自分をアピールするどころか悪い印象だけ持たれて終わってしまう役者さんを僕も何人も見てきました。
だから、演技力や実績がまだ十分にないうちに営業をすると、逆効果でしかないんです。
そんなわけで、やはり俳優として芝居に魅力がないと、どれだけ顔を知ってても作品には呼ばれないので、営業はもちろん大事ですけど、声をかけるんじゃなくて かけられる俳優になれるように、まずは何より芝居の訓練を積んで、ここぞという時にワークショップに参加するのがいいと思います。
余談ですが、ワークショップはどんなワークショップに参加すべきかなんですけど、近々次回作の撮影があってそのワークショップが、そのキャスティングも兼ねているであろう監督さんのワークショップに参加するのがいいと思います。
そういう監督さんのワークショップを、オーディションだと思って臨むようにして、受け身にならずに絶対に監督の印象に残るんだっていう意識で受けるべきだと思います。
当たり前ですが 参加するワークショップの、監督さんの作品は全部観ておくべきだし、ワークショップの事前課題があるなら、台詞を全て覚えて行くのはもちろん、役柄に合う服を持っていったり、小道具も極力用意出来るものは持っていった方がいいと思います。
一緒にシーンをやる人とは、休憩中になるべく意見交換したり、ワークショップ開始前に公園で一緒に練習したりしておくと、芝居にも良い影響が出ると思います。
それとワークショップを受けるべき監督さんとしては、無名でもメインキャストとして使ってくれる監督さんのワークショップを受けるべきだと思います。
だからどちらかというと、もう商業映画でバリバリ活躍されていて、撮っている作品にも有名な実力派俳優ばかりが参加しているっていう監督さんだと、なかなかワークショップを通じてメインキャストに抜擢されるっていうのは、かなり難しいと思います。
もちろん相当自分の芝居に自信があって、そういう監督さんにでも呼んでもらえる自信があるなら受けるべきだと思いますが、そういう監督さんはそれだけ芝居に対するジャッジがものすごい厳しいと思うので、そこで良い芝居が出来なかったら、逆にマイナスイメージになってしまいかねません。
もちろんどんな監督さんのワークショップでも死ぬ気で受けた方がいいと思いますが、まだそこまで有名じゃない監督さんで、無名の俳優さんでも演技力次第で呼んで下さるような、新人監督さんのワークショップこそ受けるべきだと思います。
ただ有名な監督さんの中にも、例えば橋口亮輔監督のように、無名でもメインキャストとして使って下さる監督さんもいます。
ただもちろん無名とはいえ演技力だけじゃない要素も含め、相当な魅力がないとそこに食い込んでいくのは難しいと思いますが、そういう監督さんは本当に貴重だと思うので、ぜひそういう方のワークショップ、ぜひ受けてみて下さい。
今回は役者にとって人脈とは何か、そしてワークショップについてのお話をさせて頂いたんですが、人脈っていうのは、たしかに役者にとって大事ではあるんですが、あくまで演技力や実績がある程度築けてから考えることだと思います。
演技力を磨くことはすごく地道な作業なので、どうしても疎かにしがちで、その反面人脈と聞くと、そういう人と知り合うだけでその人が自分のこと引き上げてくれるみたいな、そういう夢物語を想像しがちですが、そんな甘い話はないんです。
そんな楽なことで役者として売れるんだったら誰も苦労しないんですよ。
なので変な集まりとか妙な誘いには皆さん騙されて行ってしまうっていうこと無いように、くれぐれも気を付けて下さいね。
そもそも人脈はそこまで求めていないけど、とにかく訓練を重ねて演技力を磨き続けている人は、例え業界の人に演技を観てもらう機会が少なくても、あの役者誰だ!?めちゃくちゃ芝居上手いな!と、そういった少ない機会やチャンスを確実にものにして、出演作決まっていくものなんです。
あとこれは芸能事務所にもいえることで、みんなどうしても芸能事務所に入りさえすれば、自分は売れるんだって思ってしまいがちなんですけど、例え事務所に入ってもオーディションで良い芝居できなければ、仕事決まらないんです。
だから芸能事務所に入っても演技力が乏しければ、仕事は決まらず、最悪の場合このタレントはオーエディション行かせても全然仕事決めてこないなと、解雇されてしまうことだってあります。
逆に事務所に入っていないフリーの人でも、良質な自主映画などでとても良い芝居をして、そういう作品が業界の人や芸能事務所のスタッフの目に留まって、この役者と仕事したい、この役者にうちの事務所に入ってもらいたいと、声がかかることって結構多いんです。
なので皆さんも焦って人脈を求めたり、事務所のオーディション受けまくる前に、まず役者として何より大切な演技力を磨いて下さい。
それからでも全然遅くないです。
演技力がある役者さんっていうのは、例え年齢が多少上であっても、うちで活動しませんか?と声がかかるものです。
なので皆さんも演技力を磨く為の訓練を疎かにせずに、日々小さな積み重ねを大事にしてもらえたらと思います。
そういうあなたの地道な努力を必ず誰かが見ているものです。
野球選手として大成功を収めたかのイチローさんでさえ引退会見で、日々の小さな積み重ねでしか遠くへ行くことは出来ないとおっしゃっています。
なので皆さんも誰かや何かに引き上げてもらうことを期待するのはやめて、自分で出来る努力を日々積み重ねていってもらえたらと思います。
というわけで今回はこの辺にしようと思います。
これを読んで下さっているあなたが、役者としてさらに活躍していってもらえることを祈ってます。
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記事を最後まで読んで下さって、どうもありがとうございました!
木全俊太
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